柔道、剣道、茶道、書道などの動画が中国で話題に!「和」を活かして国際動画マーケティング

ANAの作った「道」の和動画に注目

全日空、通称ANAの作った動画が話題です。

見ていただくとわかるのですが、日本の、柔道、剣道、茶道、書道などの、いわゆる「道」をテーマにした動画で、リズミカルにその道がいかに優れているかをアピールした動画です。この動画が、おもに中国アジア圏で、よく見られているのです。

道は、韓国にテコンドーなどがありますが、テコンドーは道とはまた別のものです。
日本の柔道、剣道、茶道、書道などの場合は、心技体という言葉があるように、精神を整え、身辺をきれいにし、修行に励み、その成果を技術として継承していく、という役割があります。

そのため、その精神性の高さと、日本というミステリアスなお国柄と合わさって、非常に評価の高い動画となっているのです。

ANAは、「IS JAPAN COOL?」というサイトを立ち上げ、中国語と日本語でコンテンツを配信しています。
海外向けの、いわゆるインバウンドマーケティングのサイトです。

ANAは航空会社ですので、中国からの渡航客が増えれば増えるほど、ビジネスが加速します。
日本への偏見を少しでも少なくし、とくに若い世代に日本へのあこがれを持ってもらい、魅力を知ってもらうことで、渡航客を増やそうという流れです。

IS JAPAN COOL ?のサイトでは、柔道、剣道、弓道、空手道、居合道、茶道、書道、日本舞踊、能の9の伝統文化が紹介されています。
それぞれの道に精通したプロフェッショナルを紹介することで、よりクオリティの高い動画に仕上がっています。

動画を通じて、型の美しさなどを伝えていくことができます。
動きがわかるので、そのレベルの高さが、言語を超えて伝わってきます。ナレーションや字幕などはありません。
言葉を使わなくとも、パフォーマンスだけで、そのすごさがわかるようなできになっています。
ただし、BGMの効果も大きいのです。

   

本来ならばインスタで展開すべき?

実は、このANAの動画は、Youtubeで展開されました。
ですが、本来ならばこれは、インスタグラムが適切でしょう。
インスタグラムには拡散性があり、英語でハッシュタグをつけることによって、世界中の人にリーチできます。
Youtubeは、動画を投稿しても、宣伝する手段がないので、ホームページに埋め込んで、そのホームページ、コンテンツをSNSなどで拡散する他ありません。

そうした不便があるので、この「道」の動画のように、短いコンテンツなのでしたら、今後はインスタグラムがベストでしょう。
インスタは新興企業なのでつぶれやすいと思うかもしれませんが、今はFacebook傘下なので、Google傘下のYoutubeと同程度の財務的安心感があります。

Youtubeとインスタ動画、同じ動画を配信しても問題ありません。
これがテキストベースのコンテンツであるならば、異なったプラットフォームで同じコンテンツを配信するのは、コピーとみなされてペナルティの対象となるため大変危険です。

ですが、動画なら、Goolgeは動画の内容まで精査することはありませんので、コンテンツが同じものでも特に問題は発生しないのです。
タイトルや詳細の文章を変えて、少し動画以外のところを工夫して、配信しましょう。

   

中国ではそもそも、Youtubeとインスタが使えないという問題

そもそも、中国人向けにYoutubeやインスタ動画を配信し、せっかく中国語で開設しても、中国国内にいる中国人にはリーチできません。
これを念頭に起きましょう。
VPNなどでつないでこっそり見ている人もいる可能性は高いのですが、それでも大規模に展開するには、かなりのコンテンツ力が必要です。

中国では、微博などが人気ですので、誰か中国人が見つけると、ウェイボーに投稿されます。
そして、圧倒的スピードで拡散されるのです。
昨今の中国人観光客は行動も早く、すぐにインバウンド観光客と化してくれます。
経済が発展途上にあり、中間層の生活もどんどん向上しています。

そこで、動画を見て、従来の中国国内の反日教育とは違い、日本と中国が近いようで遠く、なおかつ文化的に異なった背景で発展しているのを見て、興味を持ってくれるパターンが多いのです。

   

中小企業もインバウンドマーケティング!

今回はANAという大組織の例ですが、これは中小企業でも応用できます。
ただし、中国はインターネット回線が遮断されていて、また別のネットワークになっていると思ったほうが良いのですので、中国でバズらせるにはウェイボーに投稿するしかありません。
広東語、北京語などを何種類か準備して、動画マーケティングを行いましょう。

動画の内容は、日本をアピールしたものがいいでしょう。
自社の宣伝を入れる必要はないのです。コンテンツとして独立しており、なおかつ優れていれば、それは十分拡散の可能性があります。
インバウンドマーケティングを目指して観光、小売、飲食、不動産などの分野でも、動画マーケティングは非常に有効な施策となりえるのです。

 

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