Facebookがウォッチをリリース。新しい動画体験

Facebookがウォッチ(Watch)をリリース

アメリカのFacebookが、ウォッチ(Watch)という機能をリリースしました。
新しい動画体験が可能となります。
これは、Youtubeに似た機能です。
少しでもFacebookへの滞在時間を伸ばしてもらい、ユーザーにFacebookでの体験を増やしてもらおうという試みです。

とても洗練されたデザインで、使いたくなってしまいます。
パートナーが動画を提供し、利用者からの収益が55%、てもとに分配されます。
週に一度、メジャーリーグ中継や、FacebookユーザーとFacebook社員によるトーク番組なども実現されます。
NASAの科学をテーマとしたチャンネルや、ナショナル・ジオグラフィックのアフリカサバンナの番組など、盛り沢山です。

「いま話題なう」「厳選お笑い動画」などのチャンネルで、パートナーが動画を配信していきます。
ライブを見ながら、コメントをお互いにつけ合う機能や、番組についての投稿を楽しめるグループ機能なども搭載されます。
コンデナスト、タイム、ハーストなどが提携するパートナーとして名乗りを上げています。

   

Facebookの後発動画、一体何のため?

Facebookの動画配信サービスは、今更?という感じもあります。
これはいったい、何のために搭載された機能なのでしょうか。
そこには、YoutubeやSnapchatなどの先行コンテンツプラットフォームを駆逐しようという狙いがあります。
ですが、これはうまくいくのだろうかということで、懐疑的な見方もあります。

NASAの科学番組にせよ、ナショナル・ジオグラフィックのサファリ探訪などにせよ、Youtubeですでにみることはできるので、ここからどうやって、オリジナルコンテンツを発信できるかが、Facebookの動画サービスの鍵となるでしょう。
Youtubeは特に、ユーザーが自由に投稿できるプラットフォームとしての地位を確立していますので、猛追するにはFacebookなりの差別化戦略が必要です。

Facebookは、自社のコンテンツ、つまりFacebookページの中にユーザーを囲い込もうと躍起になっています。
そのため、昨今のFacebookは、オリジナル動画のフィード広告が非常に多いのです。

特に多いのが、レシピ動画などのオリジナルコンテンツです。
Youtubeなどにも同種の動画は投稿されているのですが、Facebook内の動画サービスに投稿してもらうことによって、ユーザーがFacebookの外に出てしまうことを防いでいます。

Facebookは、今や多くの社会人が1日に一度はアクセスする重要なプラットフォームであり、ビジネスパーソンにとっては名刺代わりです。
そこで、外部サイトにリンクを貼ってトラフィックが流出してしまうのを防ぐよう、あの手この手でFacebook内のサービスを提供しています。
今回のウォッチも、その一環だと考えられています。

   

若い世代へのアピールがキモか

Facebookは、今や中高年男性のSNSと化している感があります。
子供の世代は、親がいるようなFacebookを敬遠して、インスタグラムやTwitterに流れる、もしくは登録しても、当たり障りのない投稿しかしない、という特徴が生まれつつあります。

Facebookウォッチは、そのあたりを乗り越えて、いかにして若い世代にアプローチできるか、というのがキモになってきそうです。
同様に、日本では動画サービスが数多く展開されており、サイバーエージェントのAbemaTVなども勢いを伸ばしています。
ですが、AbemaTVも動画コンテンツ作成の費用は莫大にかかっており、どこまで伸びるかは未だ読めない、といった感があります。

   

テレビとの連携も

Facebookウォッチは、AppleTVやChomecastを使って、大画面で見ることもできるのが特徴です。
スマートフォンの小さな画面だけでなく、また、いちいちコンピュータを立ち上げる必要はなく、自宅の大画面TVで視聴することができるのです。

これは、SnapchatやAbemaTVに対して優位性があるといえるでしょう。

   

動画もあればライブもある!

Facebookウォッチは、録画動画もあれば、ライブもあります。
自分のマイページのメニューに、「ウォッチ」のアイコンが表示されるようになります。

そして、動画などをフォローできます。
フレンドがフォローした動画もわかるようになっていますので、動画の輪はどんどん広がっていくことでしょう。

   

将来的に、広告もいれてYoutube型モデルに

ウォッチは、将来的に広告も入れる予定でいるとリリースされています。
その取り分は、コンテンツ配信者が55%となっています。
1再生あたりの広告動画インプレッションはわかっていませんが、Facebookの場合、ユーザー同士の距離感が非常に近いため、フレンドからおすすめされてくれば、動画の滞在時間は比較的長いものと考えられます。

いっぽうのYoutubeは、動画メディアではNo1ですが、拡散機能が弱く、ソーシャルの連携がいまいち、うまく行っていません。
そこで、Facebookは、自社のSNSに動画配信機能を作成し、動画サービス利用者の取り込みを行っているのです。

Facebookは真似できるサービスはどんどん取り込んでいく会社です。
それがどれだけの可能性を持っているのかは、未知数です。
日本でもウォッチの機能がリリースされたら、ぜひ中小企業のマーケティングにも取り入れていきたいところです。

 

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