料理動画で圧倒的再生数、BuzzfeedのTastyから学ぶ

https://www.facebook.com/buzzfeedtastyjapan/

video1331. 料理動画戦国時代、ただしブームに陰りが?

2017年11月現在、Facebookを開くと料理動画が数多くあります。個人が投稿した動画も数多くありますが、目立つのはプロモーション、すなわち企業の広告です。
どれも1分程度におさまっており、少しテンポアップして手元を写しています。

レシピを上から撮影し、カットする手元や材料の量といったものがヴィジュアルでわかるため、大変料理の参考になり、なおかつ1分で終わることからすぐさま見ようという気になるのです。

しかし、ブームに陰りが見えようとしています。Facebookは人気の投稿を上位表示する傾向があるのですが、あきらかに動画のインプレッションが各社減少しています。それにはいくつかの理由があります。

まず、料理動画はどこの会社がつくっても同じような動画に仕上がってしまう点です。テンポ、音楽、料理の内容、料理の手元や工程など、その完成した動画は、どこも似たような仕上がりになってしまいます。

これは動画マーケティングを行う上で需要な欠点といいますかウイークポイントとなります。もしも仮にどこの会社がつくっても動画が似たようなものになり、オリジナリティというものがない場合、広告主とタイアップするときに、かなり広告主のほうが有利な立場になってしまいます。

なぜなら、広告主はどこの動画でも似たようなものなのであれば、安いところに発注しようと考えるからです。これではダンピングの格好のターゲットとなり、価格競争に巻き込まれてしまいます。

video1332. 一人勝ちのBuzzfeed Tasty

そんな中、バズフィード(Buzzfeed)のTastyだけは、一人勝ちを続けています。料理という誰でも日本人ならほぼ毎日行うであろう家事を、コミカルかつ独特の視点で動画展開しています。Facebookには450万人がいいね!しており、460万人がフォローしています。人気の動画は2000万回も再生され、相当数のインプレッションを獲得しています。

投稿して1週間で2,000万回再生され、いいね!も4万件つくなど、かなりこの料理動画の分野で一人勝ちしているのが特徴です。

video1333. Tastyの戦略、コストを惜しまない

Tastyは、動画一本あたりになんと800万円近くの予算を掛けています。これは日本円でのコストです。4本で3,400万円程度のコストが掛かっています。これは驚異的な数字です。
1本800万円ということは、Tastyがいかに動画に力を入れているかがわかるでしょう。素材、取り直し、一流の料理人の出演、動画の編集、オリジナルの音楽とテロップ、などなど、さまざまなコストが掛かるのですが、800万円はなかなか掛けられるものではありません。

動画は、静止画と違って「盛る」ことが非常に難しいため、手を抜くとすぐに視聴者には伝わってしまいます。何度もリテイクする必要があり、その分だけ当然ですが素材が必要になりますし、人件費も掛かります。世に出すにふさわしい1本を出すためには、それがたとえ30秒や1分の動画でしかないとしても、何度も撮り直ししていく必要があるのです。

video1334. 積極的な広告を打たなくても良い段階に

FacebookやTwitterなどでもう十分なリーチは獲得できたことだと思います。広告を使っていいね!を集めても、固定ユーザーになるとは限りません。
しかし、クッキング動画にはかなりの可能性があります。調理は誰でも行うことなので、クックパッドなどは月間2.8億PVを集めているほどです。

それだけ料理というコンテンツにはニーズがあるのです。料理動画はいまから後発で入っても、よほど特殊なスキルを持った専門家を雇うか、何かに特化した料理動画を作るなどしなければ、Tasty、クラシル、デリッシュキッチンなどの先発が強いため太刀打ちできません。

しかし、料理動画のコンテンツを参考にして、自社の動画マーケティングに活かすことはできるでしょう。Tastyやクラシル、デリッシュキッチンなどを再生してみてください。コミカルで非常に楽しくなりますよ。

クックパッドも料理動画に参入しますので、今後はさらにコンテンツが充実するはずです。クックパッドは不適切なレシピ、たとえば乳児にはちみつを飲ませるレシピが投稿され死亡者が出るなどして一時期問題にもなりましたが、会員数は約6,000万人と圧倒的な数字です。

共働きが増え、男性も女性も料理するようになり、確実に料理コンテンツのニーズは高まりつつあります。これまで母親から習うしかなかった料理が、インターネットで手軽に学べるようになってきたのです。

料理コンテンツは簡単そうにみえて実は非常にお金が掛かっています。Tastyもそうですが、かなりのコストを掛けて制作しています。掛かったぶんのコストは広告費やファンドからの資金調達でまかなう予定です。

その分だけインプレッションを獲得することができるので、戦国時代は今後ももうしばらく続きそうです。Tastyはバズフィードのアメリカ資本が入っているため、かなり強力でこの分野において一人勝ちしつつあるので注目しておく必要があります。

 

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