これに加えて2020年となった今、「人混み」を避けるために採用活動のオンライン化も加わり、新卒採用でマッチした人材を獲得するには、いかに企業の魅力を伝え、他社と差別化していくかがポイントとなっています。
しかし、ただ企業情報を発信するだけでは、企業の詳細の理解をできていないためにミスマッチが起こるという課題感が起こってしまいます。
これらの問題を解決するための手段の一つとして注目されているのが「採用動画」です。
本記事では、新卒採用においてなぜ採用動画が効果的なのかや企業の情報をPRしていくうえで、動画を活用するメリット、制作のコツについてご紹介します。
これからの採用に動画の活用を検討されている採用担当者は、ぜひ参考にしてみてください。
新卒採用に動画が効果的な理由とは?
新卒採用で動画が注目されている理由は、手軽に情報を多く伝えられるという点にあります。
従来は、パンフレットや説明会における口頭説明、企業HPの情報提供が主流でしたが、現在はオンライン採用の広がりで、より短時間で企業の魅力を伝える必要が出てきています。
株式会社プルークスとレバレジーズ株式会社が共同で実施した就職活動生を対象としたアンケート調査によると、採用動画を見たことがある就活生は7割超と多くの学生が閲覧しています。
また、採用動画を見たことがある就活生の半数が、企業ホームページで視聴しており、動画視聴により6割の就活生が志望度上昇、「動画があったほうが良い」と回答した就活生は7割を超えています。
これらの結果から分かるように、動画は学生に閲覧してもらいやすく志望度の向上に役立つため、多くの企業の活用が広がっています。
参考:「就職活動におけるスマートフォンの活用と採用動画視聴に関するアンケート調査」(2019年7月)|株式会社プルークス・レバレジーズ株式会社
https://proox.co.jp/topic/7833/
採用プロセス別に見た動画活用シーン
動画が新卒採用に有効な理由は分かりましたが、実際にどのようなシーンで活用するのが効果的なのでしょうか?
動画を活用するといっても、応募者を集めるための広告や説明会やセミナーで流すなど、用途は目的や課題に応じてさまざまな用途が考えられます。
ここでは採用プロセスに沿って、効果的な動画の活用方法や活用シーンをご紹介します。
1.募集
新卒採用の市場においては、自社の知名度によって応募する学生数が大きく変動します。そのため、募集のフェーズではいかに多くの就活生にリーチし、他社との差別化を図るかがポイントになります。
また、多くの就活生にリーチするとはいっても、むやみやたらにリーチすればいいというわけではありません。自社が求める人物像に合っていることや、自社に関心を持ってもらえる就活生を効果的に集める母集団形成をすることが重要です。
募集フェーズにおける動画の活用は、「合同説明会」「セミナー」「SNS広告」「自社HP」などが考えられます。
学生の多くはSNSを日常的に活用しているため、SNS広告でリーチしたり、合同説明会やセミナーなどで興味を持ってもらうことが重要です。就活生は多くの企業を見ているため、他社との差別化をするうえで、より多くの企業の魅力を伝わる必要があります。その点で動画の活用は非常に効果的です。
2. 応募
企業に興味を持った就活生に応募してもらうためには、応募の動機づけを行う必要があります。
売り手市場の今、学生は多くの企業の中からどの企業に応募するかを決めます。そのため、学生が求める情報を提供できているかという点は重要なポイントです。
株式会社リクルートキャリアが2020年卒の学生の就職活動の実態調査をした結果によると、学生が就職活動において知りたいと思っていた情報は「勤務地」「具体的な仕事内容」「社風・企業文化」が上位に並んでいます。
しかし、「知りたいと思っていた情報」と「知ることができた情報」のポイントの差分は「具体的な仕事内容」「社風・企業文化」が非常に高く17%を超えている結果となっており、学生への情報提供が十分になされていないことが分かります。
3. 選考
選考のフェーズでは、いかに就活生の志望度を上げるかがポイントです。
また、それと同時に企業の求める人物像に合っているかどうかを企業と就活生がすり合わせる期間にもなります。
先程と同じ株式会社リクルートキャリアの調査結果では、入社予定企業等に就職することへの納得度が高い理由の第3位に、「自分に合っているかを検討するのに有効な情報が得られた」という結果があります。
このフェーズにおいては、いかに多くの情報を提供できるかが重要です。動画を制作する場合は、エンジニア・デザイナー・営業などと職種別に分けて動画を制作するなどより詳細の情報伝達ができる動画制作を検討してもよいでしょう。
また、この段階での動画の活用は、自社HP、人事からメールやメッセージで学生へ直接展開することなどが考えられます。
4. 内定
内定後は、いかに学生の内定辞退を避けるかがポイントです。
この時点で内定者へ情報提供するものとしては、社員紹介や社内紹介、内定者インタビューなどが挙げられます。
社内の紹介をするうえでは、募集〜選考フェーズとテイストが異なる手作り感のある映像だとより親しみが湧きやすいでしょう。
例えば、日本マイクロソフト社では、新卒社員によってオフィスや内定イベントの紹介を行う動画を制作しています。
新卒社員による企業紹介ビデオ | 日本マイクロソフト
内定者はこの動画を見るだけで、内定者同士の関係性や入社後に社内でどのように仕事をするのかのイメージが湧きやすくなります。
内定者向けの動画は、YouTubeに公開することで内定者や次年度の志望者にも見てもらうことができます。
ミスマッチを防ぐ新卒向け動画制作のポイントとは?
採用フェーズに応じた動画についてご紹介してきました。ここからは制作のポイントについてご紹介します。
動画制作はいきなり制作を始めるのではなく、ポイントを把握したうえで行いましょう。
ここでは、制作の順序に沿ってポイントをご紹介します。
1. 使用する採用シーンを決める
先程、「採用プロセス別に見た動画活用シーン」をご紹介してきましたが、まずはどの採用シーンに向けた動画を制作するかを決めましょう。
募集、応募、選考、内定のそれぞれの段階で解決すべき課題感は異なり、訴求する内容も異なります。まずはどの段階における動画活用なのかを決めておくと、制作がスムーズに進みます。
2. 盛り込むコンテンツを決める
動画はさまざまなコンテンツを盛り込むことが可能です。活用する採用シーンや目的に応じて、盛り込むコンテンツを決めましょう。
よくあるコンテンツの例としては、下記が挙げられます。
▽新卒採用動画でよくあるコンテンツ例
・企業概要 / 社史
・業界説明
・コンセプト(理念)説明
・インタビュー(社員・社長・顧客)
・社内紹介(執務室・エントランス・食堂)
・イベント映像(内定式・入社式・社員総会)
3. テイストを決める
採用シーンを決めたらどのようなテイストの動画にするのかを決めましょう。
テイストは「事業紹介型」「コンセプト紹介型」「インタビュー型」「ドキュメンタリー型」の4つがよくあるパターンです。
先に述べた通り、新卒採用において学生が入社にあたり重視する要素は、「具体的な仕事内容」「社風・企業文化」です。この要素が伝わりやすいものとして、インタビューやドキュメンタリーが有効なテイストです。どちらか一つに決めるというわけではなく、ドキュメンタリーの中にインタビューを織り交ぜて紹介するということも可能なので、うまく組み合わせて制作に取り組むとよいでしょう。
なお、それぞれのパターンの紹介についてはこちらの記事で詳しく紹介しているので、興味がある方はご確認ください。
4.ストーリーを決める
テイストが決まったら、次にストーリーを決めます。
今回はドキュメンタリー型を例に動画のストーリーをご紹介します。
ドキュメンタリー型はリアルに働いている人を主人公として描くことがポイントです。
新卒採用であれば、内定式から入社1年以内を描くと、これから自身が入社した場合をイメージしながら視聴しやすいでしょう。
王道のストーリーとしては、下記のパターンがあります。
・主人公が初めての仕事に慣れずに失敗し、逆境や壁を感じる
・先輩社員のアドバイスをもとに、改善を重ねる
・ミスが減ってきて、徐々に仕事にやりがいを感じ成長していく
就活生が自身の働くイメージと重ねることで、右脳に訴求する共感ストーリーを描くことができます。また、ストーリーを通して、企業の特徴や強みなどの左脳的な情報と結びつけて訴求することで、納得のいく情報量を得て志望度の向上やミスマッチの防止、内定辞退率の低下を狙えるでしょう。
まとめ
新卒採用は、就活生の認知拡大、母集団の形成から興味喚起、志望度向上、内定辞退率低下とフェーズにおいてさまざまな課題感を持っています。
動画はいずれのフェーズにおいても有効な手段であり、就活生が納得して入社する要素として大きい「自分に合っているかを検討するのに有効な情報が得られた」という回答に対して大きな効果を上げることができます。
その中でもドキュメンタリー動画は、ストーリー性が高く、企業概要だけでなく、理念や企業で働いている人柄を伝えることができるので、社風に合った価値観を持つ人材に応募されやすくなります。そのため、入社後のギャップを感じられにくくなり、結果として内定辞退率や離職率の低下を見込めるでしょう。
新卒採用に向けて動画の活用を検討している方は、ドキュメンタリー動画制作に強みを持つ「ドキュメンタリーブランディング」にぜひご相談ください。
▽「ドキュメンタリーブランディング」の詳細はこちら
https://documentarybranding.com/
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