Instagram 動画広告の可能性

今や4億人を超える月間アクティブ・ユーザーを持つInstagram(インスタグラム)。
SNS(ソーシャル・ネット・ワーク)として楽しむだけでなく、広告媒体としての価値が注目されています。

Instagramとは?
インスタグラム

・2010年、写真に特化したSNSアプリとしてローンチ
・スマホで撮った自分の写真がフィルタを選択するだけで「オシャレ」になる
・自分の写真(世界観)を友人とシェアしたり、有名人やユニークなクリエイターをフォローすることで、自分だけでは体験することのできない世界中の風景や瞬間を楽しむことができる
・2013年には15秒の動画投稿も可能になり表現の幅が広がった

Instagramの現状・可能性

・世界の月間アクティブ・ユーザーは4億人以上(Twitterを超えた)
・日本の月間アクティブ・ユーザーは810万人以上(2015年6月現在)
・日本国内では過去1年で最も伸び率が高いSNSアプリである(昨年は400万人だった)
・Instagramの2015年度の広告収入は6億ドル、2016年には15億ドル、2017年には28.1億ドルに上ると予想されている(eMarketer)

上記のデータからも分かるように、Instagramの成長は年々勢いを増しています。
そんな中、2014年からアメリカ、カナダ、イギリス他でInstagramのフィード内に広告が掲載出来るようになりました。

広告の形態は静止画と動画の2種類。

日本では、2015年5月から静止画広告が、10月から動画広告が本格的に始まりました。

Instagramの動画広告概要

○動画は30秒まで

○動画広告を見た人にアクションを促すボタン(CTA)の設置が可能
このボタンから自社サイトや自社アプリへ誘導ができる
文言は以下の7つ(2015年12月現在)

・予約する
・お問い合わせ
・ダウンロードする
・詳しくはこちら
・購入する
・登録する
・他の動画を視聴

○細かなターゲティングが可能
広告開始直後はターゲティングが十分に出来ていないという声もあったが、Facebookが持つデータを使用する事でより細かなターゲティングが可能になると言われている。Instagramで特に注目すべきはターゲット層は10代、20代、30代女性。Instagramからの正式なデータは出ていないものの、アプリの特性から10代~30代女性の利用率が高いため、美容・コスメ・ファッション・カフェ・レストラン業界での効果が期待される。

○低予算から広告出稿が可能
セルフサーブ型広告であれば、自社で設定した予算内で運用出来るため1,000円からの出稿が可能である。

海外の成功事例紹介

国内では始まったばかりの動画広告ですが、海外では積極的に取り組むブランドが増えています。ここでは2つの成功事例を紹介します。

・Michael Kors

インスタグラム広告 事例

アメリカの人気ブランドMichael Korsは4ヶ国で15秒の動画広告キャンペーンを行ったところ、広告想起率はアメリカで22ポイント、UKで24ポイント、フランスで25ポイント、カナダで30ポイントの上昇。
さらにブランド認知度は4ヶ国とも伸び、中でもカナダは6ポイントも上昇しました。
キャンペーン終了後、トラフィックを増加させるためにInstagramの動画広告を見た数十万人のユーザーはFacebookやInstagramでターゲティングされ、最終的には30日間で20万人のユーザーを取り込み、キャンペーン前の2.6倍ものトラフィックを得ることができました。

・Macy’s

インスタグラム広告2

アメリカのデパートMacy’sでは15秒、30秒、3分の3パターンの動画を作成。
15秒と30秒の動画はスニペットとして続きが見たくなるような興味を持たせる映像にしてInstagarmで公開しました。ターゲティングされたユーザーはFacebook上またはMacy’sのサイトで3分のフル動画を見るよう誘導されます。3分のフル動画を見て初めて全てのストーリーが分かるという仕組みになっています。
3分のフルストーリー版は必見!ブランディングとして素晴らしいサンプルと言えます。

Instagram動画広告の懸念点

・広告と分かると嫌悪感を抱くユーザーが多い
・動画の印象によって、ブランドの価値が上りも下りもする
・動画広告の尺
アメリカのオンライン広告会社Adaptlyの調査では、15秒の動画広告で良い結果が出たため、30秒広告でも同じような効果が期待出るだろうとしている。
一方で、短い広告の方がパフォーマンスが良いという傾向があるため、マーケターはどうすればユーザーに少しでも長く広告を見てもらえるかを考える必要がある。

Instagram動画広告で成功するためのポイント

・「THE広告」にしないこと
・オシャレであること
・商品やサービス自体ではなくブランド・企業の世界観を伝える
・心に訴える、インスピレーションを与えるような内容にする

来年以降さらにユーザー数の増加が見込まれているInstagramで動画広告をはじめませんか?

■参考

Micheal Kors http://www.adweek.com/news/technology/michael-kors-bet-big-instagrammarquee-ads-and-its-paying-168493

Macy’s http://www.adweek.com/news/technology/how-macys-will-target-itsfacebook-and-instagram-ads-holidays-168243

 

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ABOUTこの記事をかいた人

三谷 めぐみ

世界を飛び回る好奇心旺盛なフリーライター。 音楽業界でWebマスターとしてデジタル・マーケティングを担当し、アプリマガジンを立ち上げ編集長を務める。その後IT企業でWebディレクターとして金融系サービスを担当。現在は東京とアメリカをベースに、世界を旅しながら執筆と写真をメインに活動中。