目標達成の改善アプローチの考え方として有名なのものに「PDCAサイクル」があります。
第二次大戦後に、ウォルター・シューハート氏、エドワーズ・デミング氏らによって提唱された考え方です。
Plan, Do, Check, Actの頭文字をとったもので、内容は以下の通りです。
1. Plan(計画):従来の実績や将来の予測などをもとにして業務計画を作成する
2. Do(実施・実行):計画に沿って業務を行う
3. Check(点検・評価):業務の実施が計画に沿っているかどうかを確認する
4. Act / Action (処置・改善 ):実施が計画に沿っていない部分を調べて処置をする
この4つのステップを行い、1周したらもう一度Planに立ち戻り、業務改善をしていくという考え方です。
日本のあらゆる生産現場でよく使われているので、知っている方も多いと思います。
(引用 https://ja.wikipedia.org/wiki/PDCAサイクル)
「PDCAサイクル」に似た新しい思考方法として「TEFCAS」があります。
マインドマップの開発者であるトニー・ブザン氏が提唱している目標実現のためのプロセス管理サイクルで、
の頭文字を組み合わせたものです。
文字の順番は上記の通りですが、実際は最後の「Success」を最初にし、
達成すべき成功を先にイメージします。
①(Success … 目標を先にイメージしておく)
② Try All … 小さなトライアルを数多くやってみる
③ Events … トライアルの結果を客観的に観察する
④ Feedback … イベントからのフィードバックを受け取る
⑤ Check … フィードバックの信頼性・信憑性を確認する
⑥ Adjust … 目標に向けて必要な調整を行う
⑦ Success … 成功を遂げる
一見、PDCAもTEFCASも似ていると思うかもしれませんが、
初期段階に決定的な違いあります。
PDCAが「考えてから動く」だとしたら、TEFCASは「動きながら考える」のです。
上記を踏まえた上で、なぜ動画マーケティングにはTEFCASがおすすめなのか、
以下では、その理由をご説明します。
①圧倒的なスピードで進められる
もの事をはじめるにあたり、最初の「計画する」というプロセスは重要です。
ただし、その計画に時間を掛けすぎて、いくら経っても動けないようなら、それは非常に勿体ないことです。
会議を重ねる計画そのものがボトルネックとなり、時間ばかり浪費している会社を横目に
競合たちは次々と動きシェア拡大を狙っていくかもしれません。
何はともあれ、まずは「やってみる」
この決断こそが次への原動力となります。
まだ、計画の途中段階かもしれませんが、早く動くことでしか見えない世界があります。
「計画してから行動する」との差は、小さいようでとても大きいものです。
動画マーケティングの世界はまだまだ発展途上にあり、効果検証も未完の状態にあります。
さらに、今なら動画広告も低価格で参入できます。
動画マーケティング自体、認知されていても、導入企業はまだまだ少ないので、先行者利益を得ている企業も存在しています。それなら「失敗してもいいから、早く試してみる」べきです。
とある上場企業の社長は、常々こう言っています。
ビジネス成功の鍵は「7割の状態で離陸すること」だと。
実際にはじめてみることで、初めて直面する問題、修正すべき課題が出現します。
それはやるまでわからなかった障壁です。
それを誰よりも早く乗り越えていくことで、早い段階でうまく行かない方法がわかり、
結果的にうまく行く方法へ到達できるのです。
その挑戦に大きなお金がかからないのであれば、早くやればやるほど価値があります。
何度も会議を重ね、計画に時間をかけ過ぎるより、
ある程度の段階までいった時点ではじめてみる。
このスピード感こそが動画マーケティングでは重要です。
②フットワーク軽く、大量行動しやすい
「 Try all 」の言葉通り、
成功のために必要だと思われることは、すべてやってみることが大切です。
緻密な計画の上にある「Do」ではなく、失敗を恐れない「Try」だからこそ、上手くいく方法を探るために大量に行動してみるのです。上にも書きましたが、発展途上の動画マーケティングだからこそ、試してみる事で得られる経験はかけがえのない財産です。
ここでの大量行動とは、ひとつの動画に対して、いくつものパターンを試してみることではなく、実際に大量の動画をアップすることです。
「量は質を凌駕する」という言葉がありますが、動画マーケティングでいうと、YouTubeで大量の動画を投稿している企業は、やはり圧倒的に強いです。
会社の規模によりとるべき戦略は変わってきますが、ここでは中小企業向けに書きたいと思います。
2015年現在、多くの方には知られていないのですが、iPhoneを活用したYouTubeの大量投稿により、マーケティング、ブランディングに成功した中小企業は多くあります。
ここで注意頂きたいのは、その企業は広告収入を目的としたYouTuberではない、という点です。YouTuberほど有名ではないので、再生回数も100に満たない方もいらっしゃいます。
彼らにとって再生回数はそこまで重要な指標(KPI)ではないのですが、それでも結果が出ています。
動画マーケティングをうまく活用することで、届けたいターゲットへ、「この会社しかない」「この会社なら大丈夫そう」と思ってもらえるのです。検索用の重要キーワードを埋め込んだYouTubeの大量投稿により、露出の可能性が高まり、SEOで上位表示されやすくなります。
例えば、ターゲットとなる顧客が、問題解決のためにWEB検索で、偶然あなたの動画にたどり着いたとします。専門性が高く、解決のきっかけになるような動画の内容で、さらには関連動画の量が多いだけで、あなたへの信頼性が増すものです。ひとつの動画ではなく、大量の動画コンテンツがあるということが非常に重要なポイントです。
最初はクオリティが低いかもしれませんが、圧倒的な「量」の積み重ねこそが、
高い「質」へと変貌していくのです。
やらずに後悔するより、やって後悔したほうが納得いくものです。
ぜひ、フットワーク軽く、大量行動してみることをお勧めします。
③失敗ではなく、すべてがフィードバックなので精神的痛手が小さい。
トニー・ブザン氏によると、TEFCASには失敗という概念がありません。
ただ単に上手くいった、上手くいかなかったという出来事(=Events)があり、
各々から得られるフィードバックがあるだけなのです。
客観的にうまく行った、まあまあ、うまく行かない方法を冷静に分析、チェックし、
目標に向けてさらに調整していきます。
TEFCASの場合、時間をかけて緻密に計画した上での行動ではなく、
たくさん試すことで、ある程度うまく行かない方法に直面することも前提条件に含まれています。
こう考えるだけで、プロジェクトに携わる人々にとっては精神的痛手が小さいものです。
精神的ダメージが大きく疲弊してしまうよりは、失敗も想定した大量行動で、早くうまく行く方法を見つけた方がいいですよね。
世の中、絶対に失敗が許されないプロジェクトというものも存在しますが、
動画マーケティングはコストも小さく始められるものなので、試行錯誤が許されます。
エジソンが残した名言
「私は失敗したことがない。ただ、1万通りのうまく行かない方法を見つけただけだ」
この言葉の通りですね。
マーケティングの本質的な部分は頻繁に変化するわけではありません。
ただ、動画マーケティングのある一面である「やり方」の部分の話となると、最新技術による影響が大きいので、変化がとても激しいのです。
仮説を立て、その仮説を実証するために、いくつもの施策を次々とローンチしなければ、あっという間に時代が変わり手遅れになってしまいます。
変化の波がそれほど早いのです。
次々と刷新されるアドテク(広告関連の技術)を見ていても、そのシェア争い、技術革新のスピードは恐るべきものがあります。
あなたのビジネスのコンセプト、USPをより発揮させるために、動画マーケティングは非常に有効な方法です。
動画だからといって、うんうん頭を抱え込むのではなく、フットワーク軽く、まずはiPhoneからはじめてみる。
その姿勢が、とても重要です。
まずは、「 Try all ! 」の精神で、よかれと思う事は貪欲に挑戦してみることをお勧めします。
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