女性向けの動画メディアは、数多くあります。
ですが、その中でも、最近注目を集めているのが、KALOSという動画メディアです。
KALOSは、10代から35歳ぐらいまでの、美容と健康やライフスタイル、旅などに強い関心を持つ若い女性ユーザーをターゲットにして、メイク動画やファッション動画、スキンケアなどの動画を配信してきました。
KALOSの運営元は、「デリッシュキッチン」などを運営するエブリーという会社です。
KALOSの立ち上げは2015年に遡るのですが、ここ最近、急速に再生数を伸ばしています。
KALOSが躍進した背景には、さまざまなものがありますが、なんといっても一番はユーザー目線ではないでしょうか。
広告主、スタイリスト、モデル、撮影者、などの全関係者、全クリエイターで会議し、慎重にユーザーの求めるものは何か、細部にいたるまで、打ち合わせを重ねます。
とくに、モデルの意見をよく聞いて、直接ユーザーと対話するのは、出演するモデルなのですから、その声に耳を傾けます。
KALOSのすごいところは、動画の細部にいたるまで、演出が凝らされている点にもあります。
動画がタテになることもあり、スマホでみるとかなりの没入感があります。
自分に語りかけてきてくれるような、自分にだけ特別に話しかけてくれるような、そんな作りが顕著なため、KALOSの動画再生率は、40%を超えています。
多くの動画が、最初の数秒だけ見られて途中で脱落されるのに対して、KALOSの動画は最後まで視聴される率が非常に高いのです。
それも、動画の隅々までチェックが入って、一本一本に気合が入っている証拠です。
毎朝、コンテンツに関して、どのようなものを配信していくか、みなで集まって会議も行われています。
その意識の高さや、トレンドへの敏感さ、動画の上手な作り込みなどから、見事な動画マーケティングが実現できています。
SNSにおけるフォロワーは45万人を突破し、月あたりの動画再生回数も1000万回を超えています。
インフルエンサーマーケなどにも頼らず、運営会社のブランド力もそれほどないままに、自力で大きな動画マーケティングサイトを作り上げたことは、注目に値するでしょう。
KALOSのユーザーの約98%が、スマホからKALOSにアクセスしています。
そのため、画面が小さくとも、快適に動いてスムーズに、ストレスなく視聴できるように、映像のテンポ、音のタイミング、長さ、コンテンツ内のテロップの場所、そして大きさなどもすべてチェックしています。
自社内でメイクアップアーティストやスタイリストを採用し、専任で動画の出演者にメイクなどをしてもらっており、かなり手間暇かけて、動画を作成しています。
再生するのは一瞬ですが、動画マーケティングには、その会社の命運がかかっていますので、一本一本が勝負だと思っていいでしょう。
企画、編集、撮影、配信、顧客分析、営業、SNS運用まで、KALOSではすべての動画マーケティングにかかる工程を内製しています。
全社的なブランディングのためにも、企画等の統一感を出すためにも、全行程を自分たちで作ることは非常に重要なのです。
もちろん、これは、デリッシュキッチンである程度の成功をおさめて、資本的に成功しつつある企業だからこそ、まる抱えできている、という側面はあります。
ですが、ひとつひとつの工程に力を入れ、最後まで通しで着手するという姿勢は、動画マーケティングを行っていく上で、参考になるのではないでしょうか。
それはすなわち、一本一本が、勝負ということでもあり、なおかつ、全行程で、ユーザーと向き合っているということにもつながります。
このKALOSの姿勢は学ぶべきでしょう。
KALOSがこまめに実施している施策のひとつに、ユーザーと社員が直接対面し、要望をヒアリングしていくことなどが挙げられます。
ユーザーが、最近どんなことに関心があって、どのような情報を求めているのかをヒアリングし、より、ペルソナに近づけていくのです。
ペルソナは、非常に有効です。
動画マーケティングにおいても、しかるべきペルソナを立てて想定ユーザーをつくり、その人に向かって訴えかけていくことが重要です。
このことは、一般の動画マーケティングを行いたい中小企業にとっても役に立つでしょう。
KALOSの場合は若い女性になりますが、自社の潜在顧客の深いニーズにアプローチしていくためにも、実際に自社の動画をいつも見てくれている視聴者とコンタクトを取ることは、重要な施策ではないでしょうか。
このように、現在成功しつつあるKALOSからは、数多くのことを学ぶことができます。
中小企業の動画マーケティングを考えていく上で、今注目のWebメディアなのです。動画マーケの最先端です。
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