「若年層を取り込むことが出来ない」という悩みを抱えている企業は少なくありません。
ターゲット顧客の高齢化が進む中、企業の担当者も同時に高齢化が進んでおり、生き残りのために20代をはじめとする若年層の顧客獲得を目指すのは企業の共通の課題と言えます。
マーケティングの世界では5歳違えば、考え方や文化、消費行動などあらゆる点で違いが出るとされています。
今の若年層は、「ミレニアル世代」と呼ばれ、インターネット環境が整った頃に育った最初の世代です。
この「ミレニアル」は英語のMillennial Generation に由来する言葉。
Millennial は、千年紀の、Generationは世代という意味です。
ミレニアル世代には厳密な定義というものはないのですが、一般的に、「2000年以降に成人もしくは社会人となった世代」「1980年以降に生まれた世代」を指します。
いわゆる、デジタルネイティブ世代です。
物心ついた時にはインターネットが当たり前のようにあったので、それ以前の世代とは考え方やコミュニケーション、消費行動が全く異なっており従来のアプローチが効かないのです。
若年層の顧客獲得のために、まずはターゲットをよく知ることから始めましょう。
ミレニアル世代の特徴をまとめてみます。
・ 物の所有よりも「体験」重視。
子供の頃に旅行ブームを経験しており、親に旅行に連れて行ってもらった経験が豊富。
そのため、マイカーやマイホームを買うためにガツガツと頑張るのではなく、
旅行や友達との飲食などにお金を使う。
また、タバコやお酒を敬遠し、オーガニックやフィットネスなどにも
時間とお金を使う「健康志向」な側面もある。
・ 個人主義を貫く一方で、SNSなどの繋がりを重視する。
・ 会社への帰属意識が低く、仕事にやりがいを感じなかったり会社のスタイルが
自分と合わなかった場合などは、早期に転職を考え始める。
・ パソコンよりも、スマホやタブレットを使う傾向が高め。
そのため、長文を読んだり書いたりするのを好まず、
「写真」や「動画」などパッと見た時の情報量が多いものを好む。
・ 高嶺の花の芸能人ではなく、身近な知り合いの言葉に影響を受けやすい。
・ 非ブランド志向。世間で良いとされているものに価値を見出すのではなく、
自分が「本質的に良い」と感じるものに価値を見出す。
・ 消費行動に関して言うと、店舗で買うことを重視せずに、
オンラインで購入する傾向が高め。
ミレニアル世代の特徴を読み解いてみると、TVCMのように「企業によって作られた感の強い」コンテンツが効かない理由がよく分かると思います。
では、何が有効かと言えば、「動画」です。
スマホやタブレットで気軽に見れて、手っ取り早く情報を得られるからです。
もっと言うと動画であれば何でも良いと言う訳ではなく、「作られたもの」に対する嫌悪感が強い彼らに対しては「自然体」であるコンテンツであることが重要です。
また、「ブランド」や「権威的なもの」、「世間で良いとされているもの」などに左右されずに「自分が良いと感じるもの」を高く評価する傾向が高いので、彼らの「共感」を得られるコンテンツに仕上がっているかどうかも重要なポイントです。
事実、最近の若年層の間で人気なのが、料理のHowTo動画。
ブランド広告のようにカッコ良い雰囲気のものでは決してなく、広告のようにメリットなどを訴求したものではなく、見た時に「自分も(その料理を)作ってみたいな」という共感を抱かせる作りになっています。
若年層を取り込むには、商品を実際に使っている様子や商品のHowToものなど、等身大で自然体な動画コンテンツが有効なのです。
そして、いくら等身大の背伸びしないコンテンツがミレニアム世代に受けるとは言っても、それは決して「カッコ悪い」ものであってはいけません。
彼らは意外と自己顕示欲が他の世代よりも高めなため、「この動画に良いね!を押す自分がカッコ良いか」「この動画をシェアする自分がカッコ良いか」というのを独自の基準で瞬時に判断しています。
背伸びしないカッコつけすぎないコンテンツに仕上げることは大切ですが、その前提としてミレニアム世代が「この動画に反応する自分はカッコ良い」と思わせる仕上がりにしておくことが大切です。
最後に、ミレニアム世代に受ける動画コンテンツをまとめてみます。
・ スマホでも負担なく見れること
・ 企業が一方的に発信する、上からの作られた動画ではなく、
彼らと同じ目線に立つ等身大で背伸びしない動画であること
・ 動画に反応することが、カッコ良い、センス良いと思われるような仕上がりであること
・ 動画を見た時に、「自分もやってみたい」というような共感を呼ぶ内容であること
動画を作る時の参考にしてみてください。
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