「Metlife」の保険の名前を出さずに保険を売り込んだ動画が話題となったのを覚えていますか?
「パパはスーパーマン」と書かれた手紙を、幼い娘が読み上げるCMです。
3分程度の動画で、最初は、父親の活躍を素直に賞賛する内容でしたが、後半になると内容が一変。
父親は、実は失業者で、とても苦労して娘を育てていることがわかります。
感動の動画で、人生計画の大切さ、すなわち、保険の必要性を間接的に訴えているのです。
メットライフのこの動画は世界中で話題となり、1300万回の再生数を獲得しました。
CM動画としては大成功と言えるでしょう。
感動の嵐で、Youtubeのコメント欄には、世界中から「感動した」のコメントが寄せられています。
やはりストーリー性を持たせることで、より視聴者にインパクトを持って訴えかけることができるのです。
中小企業こそ、ストーリーを使ってブランディングしましょう。
メットライフは大企業でしたが、中小企業にも真似できるところはあるはずです。
ストーリーを伝えることは、動画にできる大きな能力です。
逆に言うと、動画にしかストーリーを的確に伝えることはできません。中小企業にこそ、動画を使ったブランディングが必要なのです。
それぞれ、見ていきましょう。
「Get UP! Australia」という動画があります。
中身は、カップルの片方から見た、出会いから結婚までのストーリーです。
偶然の出会いから、初デート、買い物、両親に紹介するシーン、ケンカ、バースデーなど、さまざまなカップルならではのありふれたストーリーが展開されます。
そして、最後はプロポーズ。
そのプロポーズのシーンの直後に、パートナーが男性であったことがわかります。
そう、動画は、同性カップルの日常を描いたものだったのです。
普通のカップルも、同性同士のカップルも、感じることは大差なく、差別をするのはやめようという強いメッセージが伝わります。
Marriage Equality と題されたこの動画は、公開わずか2日で、世界中の話題となり、再生数は1600万回を超えています。
動画でストーリーをもたせることによって、「結婚に差別はない」という強いメッセージ性を打ち出すことができるようになったのです。
これは、パートナーが男性であることを最後まで隠すことによって、みなに同じような幸せ体験をしてもらい、「同性カップルも異性カップルも気持ちは同じ」というメッセージが込められています。
このように、ストーリー性によって、隠れた裏側のメッセージを視聴者が受け取ることができます。

中小企業は、大企業のような知名度がありません。
そのため、企業名を出さずにブランディングできるストーリー性のある動画が一番です。
動画の最後に企業名のロゴを入れても入れなくとも構いません。
企業のロゴは、入らないほうがバイラルする可能性が高まります。
ネットに慣れたユーザーたちは、広告を非常に嫌うからです。
ですが、いずれにせよ、ストーリーをもたせた動画を作成することによって、企業のPRになることは間違いないでしょう。
たとえば、サロン名を全面に出して、「あるスタイリストのデビューの日」を動画にしても構いません。
それまでのシャンプー、居残りのカットの練習、営業努力、カットモデルに声掛けなどの地道な下積みの経験を、短い動画にまとめて、いかにしてスタイリストがデビューの日を迎えたのかを描き出すのです。
そうすることで、スタイリストの宣伝にもなりますし、スタイリストの思いを受け入れているサロンのブランディングにもつながります。
たとえば、「Amazon Prime」は、有名な動画があります。
夫婦の家に赤ちゃんが生まれて、その家の犬が寂しそうにしています。
赤ちゃんがライオンのぬいぐるみを持って楽しそうにしている姿を見つめている愛犬を見つけた買い主は、Amazon プライムでライオンのたてがみを注文します。
オーダーはすぐさま届いて、愛犬はライオンに変身し、赤ちゃんはそれに興味を示す・・・といった動画です。
この動画を人に説明するときに、誰しもが、「Amazon」という言葉を口にだすことでしょう。
つまり、ストーリーとブランドが、一体化しているのです。
こうなれば、ストーリー性を持った動画マーケティングは成功といえるでしょう。
ブランドがストーリーの中に、うまく溶け込ませることができれば、マーケティングとしてはうまくいったと考えられます。
中小企業こそ、動画マーケティングが必要です。
ストーリー性を持たせて、企業をさりげなく物語に溶け込ませましょう。
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